エンジンオイルの話 その2

エンジンオイルの話の続きです。

とにかく安い高い含めていろんな種類のオイルが存在します。

そして車によっても使うオイルが変わってきます。
現時点で具体的な銘柄などの話はしませんが、
大まかに4種類ほどのオイルに分類されることをまず理解してください。

鉱物油・・・原油を精製してできたオイル
部分合成油・・・鉱物油中心のベースオイルに化学合成油を混ぜたもの
半合成油・・・鉱物油と化学合成油が半分半分のオイル
100%化学合成油・・・鉱物油は使わず、全てが化学合成油

ここでは簡単なことしか話しません。というか話せません。
分子構造的な話になっちゃうので。(僕は科学者じゃないもので 泣)
ただ、少しはお役に立てる話が出来ると思います。

鉱物油は「パラフィン系」とか「ナフテン系」とか産地によって分類されるようです。
どちらがいいかは成分分析しないと分からない。
世間では圧倒的にパラフィン系に軍配だが。。。
どちらにしても化学合成油に比べると分子構造が荒く、不純物も多く、劣化も早いといわれています。

化学合成油と呼ばれるものは、実は「VHVI」「PAO」「エステル」のベースオイルに分類されます。
化学合成油でも価格はピンキリになっちゃうのはこれに理由があります。

VHVI」Very High Viscosity Index・・・鉱物油をハイドロクラッキング(水素化分解)して不純物を取り除いたオイル。
(日本では化学合成油に分類されるが、ヨーロッパでは鉱物油系のよう。)

PAO」ポリアルファオレフィン・・・石油からナフサを分留し、エチレンとし化学的に分解・合成し直したオイル
成分や分子量は安定してるが、製造コストが高い。

エステル」・・・ポリオールエステル、ジエステル、コンプレックスエステルなどがあり、
動植物の脂肪酸とアルコールを化合して生成されてできたオイル。
オイル自身を金属表面に吸着させる効果がある。ただ、コストが高く、寿命も短いのが難点。

だんだん難しそうな話になってきたので、少し話を柔らかくしますね。

M社」を代表とされるエステルと呼ばれる大半のオイルは
「PAO」中心のベースオイルにエステルをカウンター処方で混ぜたものです。

カウンター処方:PAOがゴムを収縮させる(硬くさせる)性質があり、
逆にエステルがゴムを膨張させる性質があるので、うまくバランスを取る為の処方のことです。

よって、100%エステルオイルの流通は非常に少ないと言えます。

部分合成油半合成油ほとんどは、鉱物油VHVIを混ぜたものですが、
中には鉱物油PAOエステルを混ぜた商品もあります。

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このように何種類ものオイルが存在してますので、どれを選んでいいか悩むのは当然です。
特に旧車に使うオイルは気を使われると思います。

化学合成油はオイル漏れを起こしやすい

これに尽きますよね。

事実、100%化学合成油を使うと漏れが増えるケースがあります。
ただ、部分合成油使っても漏れる車は漏れてしまうのが現実です。
僕自身もここ数年かなり悩んできたことです。

ただ漏れることよりもウチが気を付けてる事は

エンジン内を汚さないオイル

です。

つまりオイルの中に不純物が少ないことが大切です。
そう考えると、鉱物油よりVHVIPAOなどの化学合成油に軍配が上がってしまいます。

それで求めたオイルが、

オイル漏れが少なく、エンジン内を汚さないオイル

というわけなんですが、なんとなく「これかなぁ。。。」というオイルには巡り合ってきています。

エンジンオイルは、ベースオイルに実用的に欠かせない添加剤を混ぜたもので
その添加剤のブレンド加減が「良いオイル」「悪いオイル」を決めるといって過言ではありません。
オイルの世界は「安かろう悪かろう」が存在してる世界だと思っています。

あ~~話が長くなって止まらない!
次回はもう少し具体的な話します

(鉱物油や部分合成油はやはり3,000km以内にオイル交換しなさい!とか)

 

GATTINA